厳しい寒さは過ぎ去り、グラウンドの芝は青みを増し、正門の桜は薄桃の色味を帯びてきました。
　三年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。在校生一同、心よりお祝い申し上げます。
先輩方と過ごした日々は素晴らしく、瞬く間に過ぎ去っていきました。
　今、先輩方はこの富貴中学校での３年間をどのようにふりかえっているのでしょうか。
　先輩方との出会いは、希望と不安が入り交じり、心そぞろだった入学式でした。先輩方は私たちに優しい言葉がけや時に厳しい激励、態度で進むべき道を照らしてくださいました。
　何より心に残っていることは、部活動での思い出です。来る日も来る日も、くたくたになるまでノックを受けました。ノックされたボールを、あと一歩で捕球できなかったときに、「おい！捕れるぞ！！」と自分に負けそうになった私たちを大きな声で励ましてくださいました。ジャージをドロドロにしながら最後までボールを追う姿は、私たちの目指すべき姿でした。
　そして、「富貴中の最上級生」とはこういうものだと教えてくださった体育祭。学年種目やリレーなど最後の体育祭にかける思いがあふれていました。
応援合戦でのクラスの団結は威風堂々とし、その演舞は輝いていました。そして、学年演舞では見事な集団行動を行い、富貴中に新たな歴史をつくってくださいました。
　合唱祭では縦割り活動の中で、多くのアドバイスをいただきました。先輩方の歌声は校舎の３階からよく聞こえ、一人一人の合唱祭にかける思いがひしひしと伝わってきました。当日は，ホールいっぱいに圧巻の歌声を披露してくださいました。その歌声は今でも私たちの心に残っています。
　こうして振り返れば先輩方は、いつも私たちの目標であり心の支えでした。先輩方がいなくなった明日からの富貴中を想像するとさみしくなります。
　これから、私たちは先輩方が抜けた大きな穴を埋めるべく、全校生徒一致団結し、「はつらつとした富貴中学校」を受け継ぎ、新しい１ページを作り上げていこうと思います。
　先輩方と過ごした富貴中学校での生活を誇りに思います。本当にありがとうございました。
　新しい生活でのご健康とご活躍を心より祈り、送辞といたします。

　　　　　　　　　平成三十一年三月五日
　　　　　　　　　　　　　　　在校生代表